残念ながら、最後の大会が終わってしまい引退となった中学3年生は多いかと思います。
ただ、くよくよしている暇はありませんよね?
恐らく、この記事を読んで下さっている方は高校野球に向けて準備を始めている選手、そのお父さん、お母さんだと思います。
体幹を鍛えよう!
筋力をつけよう!
こんな当たり前のことは誰でもやってます。
ライバルに差をつけるためにはちゃんと体の仕組みを知り、今の体の状態に合った適切なトレーニングをしていく必要があります。
闇雲に筋力をつけたり、ただキツイトレーニングをやっているだけでは効果がないだけでなく、怪我の原因にもなります。
大人だけでなく、ジュニアの指導にも力を入れているトレーナーの経験からくる内容なので読んで損はありません。
では、「高校入学までにやっておかないと必ず後悔すること」を解説していきます。
この記事を書いている人
パーソナルトレーナーの大西です。
指導する硬式野球チームではフィジカルコーチ就任翌年から全国大会に3年連続出場、全国大会で準優勝という結果が出ています。
毎年、100名以上のジュニアアスリートの指導に携わっている経験からお話させていただくのでそれなりに信頼してもらっていい内容かと思います。
子供のパフォーマンスを少しでも上げたいという方は最後までお読みください。
この半年が勝負
高校野球に向けて準備すべきことはたくさんありますが、とにかくこの半年どう過ごすかで高校1年生からのスタートダッシュが圧倒的に変わります。
では早速どのようなことをしていけばいいいのか解説していきます。
体の土台づくりからやり直す
中学3年生にもなると体が大きくなり、筋力もついてくるため意外と基礎を疎かにしがちです。
基礎となる土台の部分が育っていない中学3年生はとても多いです。
土台の部分は多岐にわたりますが、まずは自分の体をうまく扱えない選手が実はとても多いのです。
スポーツカーのようにすごいエンジンを積んでいるのに全然スピードが出ない車と考えてもらえればと思います。
これは中3に限らず、実はプロ野球選手でも同じです。
プロでもちゃんと扱えていない自分の体。今の内にやっておいて損はないですよね。
パフォーマンスピラミッド
スポーツのパフォーマンスを向上するためにこのような考え方があります。
一番上の技術を伸ばすためには土台が大切だよという考え方ですね。
ほとんどのスポーツ選手が「技術」や「筋力」にフォーカスしてトレーニングをしますが、実はこれらは上に位置しています。
パフォーマンスを上げるためにはもっと下の部分を鍛える必要があるということですね。
しかし、多くの中学3年生は「高校に向けて筋力強化!」ということでウエイトトレーニングばかり始めてしまうのです。
(ちなみにウエイトトレーニングは必須です。順序の問題をここでは話しています)
筋力向上の前段階として、可動域やバランス感覚というものがあります。
可動域というのは各関節が適切に動くのか?ということですね。
特に股関節や肩関節、背骨の可動性が重要です。
「うちの子は体が硬い・・・」という場合はまずここから改善しなければなりません。
バランス感覚は自分の体をうまくコントロールするための能力です。
では、土台の部分にある「視覚」「前庭覚」「体性感覚」がややこしいと思うので簡単に解説していきます。
視覚
基本的には目の話をするときは「視力」が中心かと思います。1.2とか0.7とかの数値ですね。
ただ、スポーツにおいてこの視力というものはそこまで重要ではありません。
ここで大切な視覚とは、周辺の視野や空間を認知できることになります。
例えば、正面の1点を見つめた状態でもある程度、自分の左右にはなにがあるか判別がつくと思います。
これが周辺視野ですね。
この周辺視野が狭いと運動にも支障が出てしまいます。
また、狭い隙間を通る、ボールとの距離感を測るなど目で見たものをイメージし、体を動かす能力も重要となります。
これは空間認知能力ですね。
ちなみに現代のジュニアアスリートはこの空間認知能力がかなり低くなっているように感じます。
(現場でも実際めちゃくちゃ多いです)
要するに空間を認知できないと自分の体をうまく扱えなくなるのです。
例えば、バッティングの時にボールと自分のバットの距離感がずれたりします。
もっとわかりやすく言うと、空間認知能力が低い人の代表例は「車の運転が下手な人」
自分と車体、外部空間とのイメージのずれがあるため曲がるときにこすってしまうわけですね。
このような感じで視覚情報と運動には密接な関係があります。
前庭覚
これは体の傾きや回転、加速を感じるセンサーです。
三半規管というと聞いたことがある方も多いかと思います。
では、これが運動にどう関係するのか?という疑問があるかもしれませんがめちゃくちゃ関係あります。
自分の体が今どんな状態になっているのか?を感じ取るセンサーなので、ここが上手く機能していないとなんだかぎこちない動きになったり、自分の体をコントロールできないという状態になります。
体性感覚
これは関節がどのくらい曲がっているか?どこに体重がかかっているか?を感知するセンサーです。
例えば、目を閉じていても自分の肘が何度くらい曲がっているかわかると思います。
目を閉じていても、自分の足のどのあたりに体重がかかってるかわかりますよね?
これらは体性感覚がちゃんと機能しているおかげでわかるんです。
野球ではバッティングのときに「下半身を使って」と指導されることがあるかと思います。
このときに地面を踏ん張る、母趾球で蹴るみたいな意識をするかと思いますが足裏のセンサーが働いているおかげでしっかり地面を踏ん張る感覚をつかむことができます。
足趾はちゃんと動きますか?
体性感覚で特に重要なのは「足裏の感覚」です。地面と唯一接しているのが足裏です。スポーツ動作において地面の反力を使うことはとても重要なんですが、このときに足裏の感覚がキーポイントとなります。
足趾が動くかチェックしてみよう!
足趾をグー
足趾をパー
これ、意外とできない人が多いです・・・
(トレーニング担当しているプロ野球選手も動きませんでした)
ポイントは小趾までちゃんと開くかです。
足趾が使えないということは地面を踏ん張れていないということです。
体幹トレーニングの考え方
うちの子体幹が弱いんです
こんなご相談はとても多いです。そして、体幹を強くするためになにをしているかいつも確認するのですが、ほぼ100%同じ答えが返ってきます。
「プランクで1分キープしてます」
はい。
もう正直に言いますね。
ほぼ意味ないのでやめてください。
スポーツ動作でじっとキープしていることってないので、1分キープする意味がわかりません。
もし、1分キープを指導されている人は「なぜ1分キープなのか?」指導者に聞いてみて下さい。
恐らく、明確な答えは返ってこないでしょう。
必要なのは反射性スタビリティ
プランクという動作自体はOKです。
大切なのは、反射的に体幹をガチッとできることです。
野球で言えば、バッティングの瞬間です。
他のスポーツでは相手と接触する瞬間やボールを蹴る瞬間などですね。
基本的には脱力していて、力を発揮する一瞬だけガチッと体幹が固めれるというのが理想なんです。
脱力からしかパワーは生まれない
力を出そうとするときは必ず適度な脱力状態でなければなりません。
例えば、パンチでやってみるとわかりやすいですが、
①全身に力を入れた状態からパンチをする
②ある程度リラックスした状態からパンチをする
おそらく、②の方が「シュッ」とスピード間のあるパンチが出せるはずです。
最初からガチガチに固まった状態では力が発揮できないのです。
(だからプランクで1分キープしない方がいいんです、固めることばかり覚えてしまうので)
全身との繋がりも大切
体幹トレーニングというと「腹筋を鍛える」というのが一般的ですが、正直腹筋を1000回できたところで立った状態で使えていなければ意味がありません。
「体幹」というのは奥が深く詳しく書くとすごい量になってしまうのでまた別の記事で解説しますが、ただお腹周りを鍛えればいいということではないということだけ認識してもらえればと思います。
ウエイトトレーニングの考え方
高校に向けて筋力強化だ!というのは正しいです。
中学生と高校生では一気にレベルが上がるためウエイトトレーニング(筋トレ)による筋力強化が必須です。
(ここでウエイトトレーニングとはバーベルやダンベルを用いたものとします)
しかし、世の中には間違った筋トレの方法も多く紹介されているのも事実です。
ここではまず基本的な考え方をおさえてください。
具体的には2つです。
①特殊な方法はする必要がない。基本を徹底すべし
②まずはフォームから習得すべし
①特殊な方法はする必要がない。基本を徹底すべし
SNSでウエイトトレーニングを一般的な方法ではなく、変な負荷のかけ方をしてやっている人をたまに見かけます。
要するに競技動作に近づけて、負荷をかけるというものです。
なんだか見た目もそれっぽくて、競技に繋がりそうな気がしますよね。
わかりやすくスクワットで説明します。
スクワットの基本的なフォームとしては「太ももが床と平行になるところまでしゃがむ」というものがあります。
「野球の動作は回旋がメインだから深くしゃがむ動作をして垂直方向に負荷をかける必要はない」
「だから回旋動作をしながら負荷をかけるべきだ!」みたいな考えですね。
確かにそのような方法があるのかもしれませんが、物理学的に考えてバーベルを担いで回旋方向に負荷をかける意味がわかりません。
ウエイトトレーニングは「競技に似たそれっぽいもの」より教科書的な「THEウエイトトレーニング」というものを推奨します。
これがなぜかというと、「ウエイトトレーニングは筋力を向上するためのものであって、競技動作に直接結びつけるものではないから」ですね。
(こちらも長くなるので別記事でまた書きます)
②まずはフォームから習得すべし
ここは当たり前かもしれませんが意外と疎かにされがちです。
めちゃくちゃなフォームなのに、
「MAX更新!」
「中学生でこの重量を挙げれるのはすごい!」
みたいな投稿もよく目にするのですが、「おいおい・・・」というのが正直な意見です。
ウエイトトレーニングをやっているとつい「何kg挙げれた」といったところに目がいきがちですが、各関節が適切に動いていて、適切な方向に力を発揮できているか、という視点を忘れないようにしたいですね。
大前提フォームが崩れると目的と違う部位に負担がかかってしまい、怪我の原因となりますし思った効果が出なかったりします。
僕のトレーニングではまず各関節の動きを整えてからウエイトトレーニングに入ります。
まとめ
高校入学までに中学3年生がやっておいた方がいいことをざっくり解説しました。
- まずはしっかり土台を整えること
- 土台となるのは可動域やバランス感覚
- それを支ええているのは「視覚」「前庭覚」「体性感覚」
- 体幹トレーニングは反射的にかためることが大切
- ウエイトトレーニング(筋トレ)はまずフォームから、基礎基本を徹底する
他にも大切なことはたくさんあるのですが・・・
(食事・栄養やマインドセットなど)
終わりがこないためこの記事ではこのくらいにしておきます(^^)
もし、高校入学までにパフォーマンスを上げたい、弱点を克服しておきたいという方は公式LINEよりご連絡下さい。
必ず成果に繋げますので、そこは信用してもらって大丈夫です。
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コレクトコンディショニングでのトレーニングでは、カウンセリングから姿勢や動きの評価を実施、子供の状態に合わせた適切なトレーニングを提案します。
身体の機能を整え、正しく体が使える状態にすることでトレーニングの効果が最大限発揮されます。
また、長期的な観点から考えても怪我の予防につながるため「今」トレーニングしておくことをおすすめします。
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